何故、運動はカラダに良いの?

運動は体に良い!これは誰でも知っている常識です。実際、厚生労働省の【健康づくりのための身体活動・運動ガイド】2024年改訂版でも、「身体活動・運動量の多い者は、少ない者と比較して、循環器病・2型糖尿病・がん・ロコモティブシンドローム・うつ病・認知症等の発症、罹患リスクが低いことが報告されている」と記載されています。
その他、運動によって血圧、血糖値、肥満、悪玉コレステロールなどが改善し、リスクも低減してくれることは、すでに多くのエビデンス(医学的根拠)があります。

運動すると糖や脂質がエネルギー源として燃やされるので、血糖値が下がり、肥満が改善され、ひいては心臓病などのリスクも低減されるのだと考えられてきました。しかし、糖や脂質を燃やすから!という理由だけでは、大腸がんの罹患リスクが低いことや、うつ病や認知症リスクの低減の理由が何故なのか?は実は明確にはわかっていませんでした。

ところが、2003年にデンマークの研究者によって、筋肉からマイオカインと呼ばれる生理活性物質(ホルモン等)が分泌されることが発見され、現在、その種類は数百種類にもなることがわかっています。脳から分泌される成長ホルモンや、卵巣から分泌されるエストロゲン、副腎から分泌され心拍や血圧を上げるアドレナリン等のように、筋肉からもマイオカインと呼ばれるホルモンが分泌され、脳をはじめ、体内の各臓器や器官に影響を与えていることがわかり、長年謎だった、何故運動するとガンや認知症などのリスクが低減するのか、その理由がマイオカインの発見で解明されてきたのです。

マイオカインの作用

マイオカインには、運動習慣によりじわじわ分泌されるものや、一度の強い運動(筋収縮)により一気に分泌されるものがあります。またマイオカインには、腸内細菌と同様に「善玉マイオカイン」と「悪玉マイオカイン」が存在することが分かっています。
日常的に運動を行っている人は、健康や若さを保つ「善玉マイオカイン」が筋肉から分泌されますが、運動不足により筋肉が衰えることによって、筋肉の萎縮を促す「悪玉マイオカイン」の分泌が増えることが知られています。したがって、適度な運動を行うことが善玉マイオカインの分泌を維持する鍵となります。筋肉量を増やすことでもマイオカインの分泌を促しますが、筋肉量が増えずとも運動を継続することでマイオカインの分泌量を増やすことができるのです。

●骨に作用して骨形成を促進

●脳・神経に作用して働きを高め、認知機能の向上や記憶力・学習能力の向上

●脂肪組織に作用して脂肪を分解

●肝臓・膵臓などに作用して働きを調整

●血管に作用して劣化を予防

●腸に作用して働きを整え、癌細胞生成を防ぐ

●筋肉自身に作用して筋肉を増強するとともに糖や脂肪の燃焼能力を高める   

●免疫系を活性化し体の防御機能を向上

●血糖値を下げ糖尿病の予防

大腸がんリスクと生活習慣

世界がん研究基金・アメリカがん研究協会による